〈図解〉日本三大都市幻の鉄道計画
日本は本当に電車大国ですよね。
出勤も通学も出かけるにも電車を利用される方が多いと思います。
そのため乗降者数も非常に多いです。
以下によると
新宿、池袋、渋谷の東京の西の副都心の乗降者数が非常に多いことが分かります。
しかしながら、鉄道路線が今と違う形でひかれていたら乗降者数も大きく違った可能性があります。
そんなかつてあった鉄道計画、つまり計画変更、ないし計画どまりになってしまい、実現しなかった鉄道路線を紹介するのが
<図解>日本三大都市 幻の鉄道計画――明治から戦後へ、東京・大阪・名古屋の運命を変えた非実現路線 (講談社+α文庫)
- 作者: 川島令三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/09/18
- メディア: 文庫
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です。
本書では三大都市圏、「東京」「大阪」「名古屋」の非実現路線について書かれています。
そのなかでも今回は「東京」にスポットライトをあててみたいと思います。
東京には現状で13路線の地下鉄が運行されています。
東京メトロには銀座線、丸ノ内線、日比谷線、千代田線、東西線、南北線、有楽町線、半蔵門線、副都心線の9路線
都営地下鉄には浅草線、新宿線、大江戸線、三田線の4路線です。
これらは銀座線以外戦後に建設された路線です。
しかしながら戦前、それも大正時代に建設が決定しながら建設されなかった幻の路線があります。
それが「池袋~洲崎間」と「渋谷~巣鴨間」です。
本文を引用すると
1926年(大正15)年に東京市は3号線渋谷ー巣鴨間と5号線池袋ー洲崎間を第1期線として着工することにし、予算案を可決、公債募集を行おうとした。
と、実現性はいかにも高かったようです。
しかしながら
しかし、当時、各市町は放漫経営のために財政状態がよくなく、内務省は財政緊縮方針をとっていたので、この公債発行を認めなかった。
と、公債は発行できなくなってしまったようです。
また私営の東京乗合自動車が市電と並行しバスを走らせたので市電の収入が悪化したり、関東大震災で止まってしまった市電の代わりに市バスを走らせたりと市の財政状況はさらに悪化し、建設どころではなくなってしまいました。
著者はこの項をこうまとめています。
震災がなければ、 あるいはこの時点で国からの多大な補助が出ていれば、この2線は開通していたかもしれない。
実際にこの二路線が開通していたら東京の地下鉄事情は大きく変わっていたと思われます。
このような路線や、本来地下鉄の結束点になるはずだった「万世橋」、渋谷より栄えるはずであった「目黒」などなど「幻」となってしまった鉄道計画を紹介する本書
前にご紹介した〈図解〉新説全国未完成鉄道路線が気に入られた方は著者の方が同じでありおすすめです。
是非読まれてはいかがでしょうか?